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基礎知識

譲渡禁止特約とは?2020年民法改正でファクタリングはどう変わったか

譲渡禁止特約とは何か、2020年4月民法改正の内容(特約があっても債権譲渡は有効)、取引先との関係悪化・損害賠償リスク、2社間/3社間での扱いと実務での安全な対応方法を解説します。

編集・運営:ファクサポ編集部公開日 2023.11.24最終更新 2025.04.26

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「契約書に『譲渡禁止特約』が入っているが、これがあるとファクタリングは使えないのか?」——2020年の民法改正で大きく扱いが変わったポイントです。

結論から言うと、2020年4月の改正民法施行後、譲渡禁止特約があっても債権譲渡そのものは有効になりました。つまり、特約付きの売掛債権でもファクタリングは利用できる可能性があります。ただし、特約違反による取引先との関係悪化・損害賠償リスクは別の問題として残るため、契約内容と実務運用の両方を理解する必要があります。

この記事では、譲渡禁止特約とは何か、2020年改正の内容と影響、ファクタリングを利用する際の注意点を整理します。

譲渡禁止特約とは

譲渡禁止特約とは、契約書において「この契約から発生する債権を第三者に譲渡してはならない」と定める条項のことです。

主な目的は次の通りです。

  • 取引先の管理コスト軽減:支払い先が増えると経理処理が複雑になるのを避ける
  • 誤った相手に支払うリスクの回避:架空債権・二重譲渡などの不正対策
  • 取引相手の信用維持:売掛債権が出回ることへの抵抗感

実務上、大手企業や官公庁の取引契約にはほぼ標準で入っていることが多い条項です。

2020年4月の民法改正で何が変わったか

改正前は、譲渡禁止特約があると債権譲渡そのものが原則無効で、特約違反の譲渡はファクタリング会社側にもリスクがありました。

改正後は次のように変わっています。

  • 譲渡禁止特約があっても、債権譲渡は有効(債権譲渡そのものは可能)
  • 取引先(債務者)は、譲受人(ファクタリング会社)からの請求に応じる義務を負う
  • ただし、債務者は譲渡人(利用者)に対して特約違反の責任を問える可能性は残る

つまり、ファクタリング会社にとっては「特約があっても買い取れる」状態になりましたが、利用者と取引先の関係では特約違反の余地が残るというのが現状です。

関連記事売掛債権とは?

改正後でも残る2つのリスク

① 取引先との関係悪化リスク

特約に違反した形でファクタリングを利用すると、取引先から契約違反として抗議を受ける可能性があります。今後の取引継続にも影響しかねません。

② 損害賠償・取引解除のリスク

契約内容によっては、譲渡禁止特約違反を理由に取引解除・損害賠償を主張されるケースがあります。法的に債権譲渡は有効でも、取引契約全体の信頼関係は別問題です。

2社間ファクタリングと3社間ファクタリングの扱い

特約付き債権をファクタリングで利用する場合、契約形態によって取引先との関わりが変わります。

2社間ファクタリング

利用者とファクタリング会社の2者で完結し、取引先への通知を行わないのが原則。特約があっても通知が行かない限り、取引先が気づかないケースが多いものの、後で発覚した場合のリスクは利用者が負います。

関連記事2社間ファクタリングとは?

3社間ファクタリング

取引先への通知・承諾が必要です。特約付きの場合は実質的に承諾が下りないことが多く、3社間での利用は難しい傾向があります。

関連記事3社間ファクタリングとは?

実務での対応(現実的な選択肢)

譲渡禁止特約があっても、次のような対応が現実的です。

① 契約内容の確認

まず取引契約書を読み、特約の有無・違反時の規定(損害賠償・解除条項)を確認します。

② 取引先への事前相談

可能であれば、取引先に「資金繰りの一時対応として売掛金を活用したい」と相談し、了解を取るのが最も安全です。継続取引上の信頼関係が壊れるリスクを大きく下げられます。

③ ファクタリング会社への正直な開示

特約付きであることをファクタリング会社に伝えると、対応の可否・条件を明示してもらえます。隠して進めるのは双方にとってリスクです。

④ 別の売掛債権を活用

特約付き以外の売掛債権が手元にあれば、そちらを優先的にファクタリングするほうが安全です。

やってはいけないこと

特約があることを隠してファクタリングを申し込む

ファクタリング会社・取引先の両方に対する信用問題になります。

二重譲渡

同じ債権を複数のファクタリング会社に譲渡することは、刑事責任(横領罪・詐欺罪)を問われる可能性があります。改正民法とは別の重大リスクです。

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取引先への無断通知

3社間ファクタリングを進めようと、取引先に無断で連絡するのは関係悪化に直結します。必ず事前の合意を得ましょう。

よくある質問

譲渡禁止特約付きでもファクタリングは絶対に使えますか?

民法上は債権譲渡が有効ですが、ファクタリング会社の判断で対象外とすることもあります。会社により扱いが異なるため、契約前の確認が必要です。

取引先にバレずに2社間ファクタリングを使う方法はありますか?

2社間ファクタリングは通知が行かない仕組みですが、債権譲渡登記をした場合などは取引先が知る可能性もあります。完全に隠すことは保証できません

特約違反で訴えられたらどうなりますか?

契約解除・損害賠償の請求を受ける可能性があります。取引先との関係次第ですが、訴訟リスクは無視できません。

公的機関(官公庁)の契約はどうですか?

官公庁の契約は譲渡禁止が厳格に運用されることが多く、事前の承諾を取るのが基本です。承諾なしの譲渡は契約上の重大な問題になります。

まとめ

譲渡禁止特約は、2020年の民法改正で「あっても債権譲渡は有効」になりましたが、取引先との関係維持・損害賠償リスクは引き続き存在します。

特約付き売掛債権をファクタリングする場合は、契約内容の確認・ファクタリング会社への開示・取引先への事前相談を組み合わせるのが安全です。隠して進めるのは双方にとってリスクが大きく、おすすめできません。

具体的な判断は弁護士・税理士などの専門家にもご相談のうえ、必要に応じてファクタリング会社の比較もご覧ください。

編集部より(ご利用上の注意)

本記事はファクサポ編集部が、ファクタリングや資金繰りに悩む事業者向けに一般的な情報をまとめたものです。審査基準・手数料・契約条件は各社や状況によって異なり、変更される場合があります。実際のご利用前には、各社の公式情報や、税理士・中小企業診断士・弁護士などの専門家に必ずご確認ください。当サイトは情報提供を目的とし、特定のサービスの利用を保証・推奨するものではありません。

参考(一般的な公的情報源)

記載内容は一般的な目安であり、最新の制度・統計・公式情報は次の各機関や各社公式サイトでご確認ください。経済産業省財務省国税庁厚生労働省金融庁中小企業庁。各ファクタリング会社の手数料・対応条件は必ず公式サイトでご確認ください。

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