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経営・資金繰り

借金があるまま廃業できる?経営者が知っておくべき手続きと注意点

借金があっても廃業は可能だが債務は消えない構造、個人保証の影響、廃業手続きの種類(自主廃業/特別清算/破産)、経営者保証ガイドラインの活用、廃業以外の選択肢(事業再生/私的整理/M&A)を整理します。

編集・運営:ファクサポ編集部公開日 2022.10.13最終更新 2024.12.11

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「借金があるまま会社を畳めるのか」「個人保証が付いているがどうなるのか」「廃業後も返済を続けることになるのか」——廃業を検討する経営者にとって最も深刻な疑問の一つです。

結論から言うと、借金があっても廃業すること自体は可能です。ただし、廃業=借金が消えるわけではありません。特に個人保証が付いている場合は、廃業後も経営者個人に返済義務が残る可能性があります。

この記事では、廃業と借金の関係、個人保証がある場合の影響、廃業以外の選択肢、判断のポイントを整理します。

結論:借金があっても廃業はできる

多くの経営者が誤解しています。

  • 借金がある
  • 会社を閉じられない

これは必ずしも正しくありません。借入が残っていても、会社を廃業すること自体は可能です。

ただし重要な前提として、廃業しても借金そのものは消えません。誰がどう返済するかは、別途整理が必要です。

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廃業と借金は別問題

整理して理解することが重要です。

廃業

  • 事業活動の終了
  • 会社の解散・清算手続き
  • 法人格の消滅(完了時)

借金

  • 返済義務
  • 法人の債務 / 個人保証の債務
  • 廃業の有無に関わらず続く

「廃業 = 借金問題の解決」ではないということを、まず認識する必要があります。

法人の場合の借金の扱い

会社名義の借入は、原則として法人が負担します。

  • 会社の資産で返済
  • 返済しきれない部分 → 法的整理(破産・特別清算)
  • 法人格が消滅すれば法人としての債務も消滅

しかし、中小企業では個人保証が付いているケースが非常に多いため、話はそれだけでは終わりません。

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個人保証がある場合

中小企業融資では、ほぼ全てのケースで経営者の連帯保証が設定されています。

会社が返済できない場合の流れ:

  • 会社が返済不能
  • 保証人(経営者個人)へ請求
  • 経営者が個人として返済義務を負う
  • 個人資産の差押え・自宅売却の可能性
  • 最悪のケースで個人破産

個人保証は経営者の人生に直結する重大事項です。

関連記事個人保証が怖い経営者へ|リスクと対策

よくある個人保証のケース

以下の融資・契約では、ほとんどの場合に経営者の個人保証が設定されています。

  • 日本政策金融公庫(創業融資・通常融資)
  • 信用保証協会付き融資(銀行+保証協会)
  • 銀行プロパー融資
  • ビジネスローン
  • リース契約(連帯保証扱いになるものも)
  • 取引先との大口契約(まれに保証要請あり)

廃業前に借入契約書を確認し、個人保証の有無・範囲を把握する必要があります。

経営者保証ガイドラインの活用

近年は経営者保証ガイドラインにより、一定要件を満たせば個人保証を外せる・減額できる仕組みがあります。

主なポイント:

  • 法人と個人の財産分離が明確
  • 法人の財務基盤強化
  • 金融機関への適時適切な情報開示

これらが満たされていれば、個人保証なし融資・保証解除の交渉余地があります。廃業時の保証履行交渉でも活用可能です。

関連記事個人保証のリスク管理

廃業前に確認すべき項目

廃業を本格検討する前に、以下を整理します。

① 借入総額(借入先別)

  • 借入先(銀行・公庫・ノンバンク・親族等)
  • 残債務額
  • 担保物件の有無

② 毎月返済額

月次返済負担が利益・キャッシュフローを上回っていないかを確認します。

③ 個人保証の有無と範囲

借入契約書を一つひとつ確認し、個人保証の有無を整理します。

④ 保有資産(法人・個人)

  • 法人資産:現預金・売掛金・在庫・設備・不動産
  • 個人資産:預金・自宅・有価証券

法人資産での弁済可能性と、個人保証履行時のインパクトを試算します。

⑤ 売掛金・未回収債権

回収可能な売掛金は、廃業前に確実に回収します。

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廃業後も返済は続くのか

ケースバイケースです。

パターン① 法人資産で完済できる

  • 不動産・在庫の売却で借入返済
  • 法人格消滅で債務終了
  • 個人保証履行なし

パターン② 一部弁済 + 残債は保証人へ

  • 法人資産で一部返済
  • 不足額が個人保証履行
  • 経営者個人が分割返済

パターン③ 個人も破産

  • 法人破産+個人破産
  • 経営者保証ガイドラインで個人資産の一部保全

廃業手続きの種類(自主廃業・特別清算・破産)によっても扱いが異なります。

廃業手続きの種類

① 自主廃業(通常清算)

  • 法人資産で全債務弁済可能な場合
  • 株主・代表者の決定で実行
  • 最も穏便な閉じ方

② 特別清算

  • 株式会社の清算手続き(裁判所関与)
  • 債務超過の場合に使用
  • 比較的シンプル

③ 破産

  • 債務超過で清算困難
  • 裁判所が破産管財人を選任
  • 経営者個人も破産になることがある

④ 民事再生

  • 廃業ではなく再生を目指す手続き
  • 法人格を残す
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こんな状態は要注意

以下に該当する場合、廃業判断を急ぐ必要があります。

  • 借入返済が継続的に困難
  • 税金・社会保険料の滞納が常態化
  • 給与支払いが困難
  • 売掛金回収が遅延・不能
  • 資金ショートが目前

資金ショート後の廃業は選択肢が極端に狭まるため、ショート前に動くことが重要です。

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廃業以外の選択肢

廃業を決める前に、以下の選択肢を検討する価値があります。

① 事業再生

会社を残しながら経営を立て直す。本業に収益力があれば有効です。

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② 私的整理

裁判所を使わず債権者と交渉して借入条件を変更。返済猶予・期間延長が中心です。

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③ 事業譲渡・M&A

事業を他社に譲渡し、経営者は引退。借入の整理も交渉対象になります。

④ 親族・従業員への事業承継

後継者がいる場合の選択肢。債務承継もセットで交渉します。

廃業を急ぐべきでないケース

以下に当てはまる場合、廃業の前に改善余地を探るべきです。

  • 本業に利益がある(粗利が出ている)
  • 一時的な資金不足(構造的赤字ではない)
  • 売掛金回収予定がある(時間が解決)
  • 改善策がまだある(値上げ・固定費削減未実施)
  • 代表者の改善意欲がある
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廃業を検討すべきケース

逆に、以下の状況では廃業が現実的な選択肢になります。

  • 改善余地が少ない(打ち手を試し尽くした)
  • 売上回復見込みがない(市場縮小・構造劣勢)
  • 債務負担が大きすぎる(月次利益 < 返済額)
  • 代表者の体調・気力が限界
  • 後継者がいない・M&A候補がない

経営者が最も苦しむポイント

廃業判断で経営者を苦しめるのは、借金そのものよりも周囲への責任です。

  • 従業員(雇用喪失への申し訳なさ)
  • 取引先(支払不能への懸念)
  • 家族(個人保証履行のリスク)
  • 自分自身(経営者としての挫折感)

これらの重みから判断が遅れがちですが、遅れることが選択肢を狭める最大の要因になります。

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廃業時の従業員対応

廃業を決めたら、従業員への対応は重要です。

  • 解雇予告(30日前)または予告手当の支払い
  • 未払い賃金の精算
  • 離職票の発行
  • 失業保険・再就職支援の情報提供
  • 退職金の支払い(規程がある場合)

法的義務だけでなく、経営者としての誠実な対応が問われます。

関連記事従業員に給料遅延を伝える方法

廃業を判断する前の専門家相談

廃業判断は経営者一人で抱えるべきではありません。

相談先:

  • 弁護士(法的整理・破産手続きの専門家)
  • 顧問税理士(数字・税務面の整理)
  • 取引銀行(廃業時の借入対応)
  • 中小企業活性化協議会(無料・公的)
  • よろず支援拠点(無料相談)

特に個人保証の整理は経営者保証ガイドラインに沿った専門家対応が重要です。

ファクサポが考える本質

重要なのは「廃業するか・続けるか」の二択ではありません。会社・従業員・経営者個人を守れるかが本質です。

そのためには:

  • 感情ではなく数字で判断する
  • 早めに専門家相談する
  • 改善余地を客観評価する
  • 個人保証を整理する
  • 複数の選択肢を比較する

これらを進めた上での判断であれば、廃業も継続もどちらも正解になり得ます。

関連記事会社を畳むべきか続けるべきか|判断基準

短期で資金を作る選択肢(判断時間を確保)

判断のための時間を確保したい場合、短期手段があります。

① 売掛金の早期資金化(ファクタリング)

入金前の売掛金を現金化。判断のための時間を作れます。

② 既存借入のリスケ

返済猶予で月次キャッシュを軽減し、判断時間を稼ぎます。

③ 税金・社会保険料の猶予申請

換価の猶予・納付の猶予で短期的な負担軽減。

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よくある質問

借金があっても廃業できますか?

可能です。法人の解散・清算手続き自体は実行できます。ただし、廃業=借金消滅ではありません。法人資産での弁済・個人保証履行などが別途必要になります。

個人保証があるとどうなりますか?

法人で返済しきれない部分は、経営者個人に請求される可能性があります。経営者保証ガイドラインに沿った整理で、個人資産の一部保全交渉ができる場合もあります。

廃業以外の方法はありますか?

あります。事業再生・私的整理・事業譲渡・M&A・事業承継などです。本業に収益力があれば、廃業よりこれらの選択肢が有効なケースが多くなります。

個人破産せずに済む方法はありますか?

ケースによります。経営者保証ガイドラインの活用、私的整理での保証履行交渉、M&Aによる債務承継などで、個人破産を回避できるケースがあります。早期の専門家相談が鍵です。

廃業手続きにいくらかかりますか?

ケースにより異なります。自主廃業は数十万円〜、特別清算は100万円前後〜、破産は予納金を含めると100〜200万円超になることがあります。弁護士費用が別途必要です。

まとめ

借金があっても廃業は可能です。しかし、借金が自動的に消えるわけではありません

整理すべき項目:

  • 借入総額と借入先別の内訳
  • 個人保証の有無と範囲
  • 保有資産(法人・個人)
  • 改善余地(続ける可能性)
  • 廃業手続きの種類(自主・特別清算・破産)

会社を続けることも、整理することも、どちらも経営判断です。重要なのは感情ではなく数字で判断し、早めに専門家相談することです。

短期の資金繰り手段として売掛金の早期資金化を検討する場合はファクタリング会社の比較で各社の条件を確認できます。

編集部より(ご利用上の注意)

本記事はファクサポ編集部が、ファクタリングや資金繰りに悩む事業者向けに一般的な情報をまとめたものです。審査基準・手数料・契約条件は各社や状況によって異なり、変更される場合があります。実際のご利用前には、各社の公式情報や、税理士・中小企業診断士・弁護士などの専門家に必ずご確認ください。当サイトは情報提供を目的とし、特定のサービスの利用を保証・推奨するものではありません。

参考(一般的な公的情報源)

記載内容は一般的な目安であり、最新の制度・統計・公式情報は次の各機関や各社公式サイトでご確認ください。経済産業省財務省国税庁厚生労働省金融庁中小企業庁。各ファクタリング会社の手数料・対応条件は必ず公式サイトでご確認ください。

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